朝日新聞に掲載された妻の想い

こんばんは、はら歯科の原です。


お彼岸が今日で終わりますね。


皆さん、お墓参りはされましたか。


先日(3月16日)、妻が去年亡くなった母親を偲び、朝日新聞の生活面


に投稿した文章が掲載されました。


私はこれを読んで、立ち直ったかのようにみえる妻の深い悲しみにふれた


ような気がしました。


掲載された文章を紹介します。


 


         「母のくぎ煮、今年も」


 やわらかな日ざしが春を告げるかのようだった先日、スーパーに並ぶいかなご


のくぎ煮を見て、不覚にも涙がこぼれました。


 毎年、春の訪れと同時にくぎ煮を送ってくれた母は、今年は写真の中で笑って


います。


 のんびりとした母が気長に炊いたくぎ煮は、母の愛情と故郷の懐かしさで


いっぱいでした。それにもかかわらず、「またくぎ煮?こんなにいらんわ。もうちょ


っと気の利いたものを送って」と減らず口をたたいていた私。


 小さなパックに入ったくぎ煮を買って帰り食卓に置いておくと、息子たちも「えっ


!おばあちゃん、おるわけないよなあ」「やっぱり、おばあちゃんの方がおいし


い」と、ぶつぶつとつぶやいていました。


 くぎ煮を食べ終わった次の日、母が亡くなるまで宅配便を一度も送ったことが


なかっただろう父から荷物が届きました。


 包みを開くと、買ったものでしたが、いかなごのくぎ煮でした。「春告げる 瀬戸


のいかなご携えて 千の風になり お礼のしるし 厚子」という父のつたない歌が


添えられていました。


 お母さん、千の風になって、今年もいかなご届けてくれたんだねえ。


 今頃になって素直に言えるよ。「お母さん、いつもありがとう。」そして「お父さん


も頑張っているよ」。


               岡山県 早島町   原 英子  主婦 45歳


 


 息子達と読んでみて、あらためて くぎ煮を懐かしく思い義母を思い


 出しました。